必要書類

IT導入補助金に申請に必要な書類は、申請者が法人か個人事業主かによって異なります。それぞれの場合で必要な書類は以下の通りです。

1.IT導入補助金の必要書類【法人の必要書類】

・履歴事項全部証明書(弊社取得可能です)
・法人税の納税証明書(その1またはその2)

個人事業主の必要書類

・所得税の納税証明書(その1または2)

・運転免許証又は運転経歴証明書又は住民票

・所得税確定申告書B

2.法人の必要書類と準備方法

法人がIT導入補助金を申請する際に必要な書類は「履歴事項全部証明書」「法人税の納税証明書(その1またはその2)」の2点です。

2-1. 履歴事項全部証明書

履歴全部証明書は、法務局に登録されている会社の登記事項を証明する書類のひとつです。
交付申請日時点の登記事項に加え、3年前の1月1日から交付日までの抹消・変更の履歴も記載されています。
抹消・変更履歴の記載がない「現在事項証明」と混同しないように注意しましょう。

履歴事項全部証明書の請求方法と発行手数料は以下の通りです。

請求方法 発行手数料
法務局の窓口 600円
オンライン(郵送受取) 500円
オンライン(窓口受取) 480円
郵送 600円

窓口で申請する際は、事業所の所在地に関わらず全国の法務局で対応してもらえます。
※オンライン請求を利用する際は「登記・供託オンライン申請システム」のウェブサイトで手続きをしてください。
オンライン請求は手数料が安くなるうえ、ネットバンキングを利用した銀行振込にも対応しています。

2-2. 法人税の納税証明書(その1またはその2)

法人税の納税証明書は全6種類(その1~その6)までありますが、IT導入補助金の申請で必要なのは「その1」もしくは「その2」です。また、有効となる書類は直近分のもの、かつ税務署の窓口で発行されたものに限られます。

※なお、PDF形式で印刷されたものに限り電子納税証明書も有効です。
電子納税証明書を発行する場合は「e-TAX」で請求申請をしましょう。

法人税の納税証明書の請求方法と発行手数料は以下の通りです。

請求方法 書類名 手数料
税務署の窓口 納税証明書その1 税目数×年度数×枚数×370円
納税証明書その2 年度数×枚数×370円

3.個人の場合の必要書類

個人事業主がIT導入補助金を申請する際に必要な書類は「運転免許証又は運転経歴証明書又は住民票」「諸億税の納税証明書(その1またはその2)」「所得税確定申告書B」の3点です。なお、旧姓で事業を行っている場合は、これらの書類に加え氏名の変更が確認できる書類も用意しましょう。

3-1. 運転免許証または運転経歴証明書又は住民票

個人事業主の方は身分証明のために以下の3点のいずれかを用意しましょう。
・運転免許証
・運転経歴証明書
・住民票

なお、運転免許証を用いる場合は交付申請日が有効期限内であること、住所変更がある場合は裏面に変更後の住所が記載されている必要があります。
また、住民票は交付申請日から遡って3ヶ月以内に発行されたもののみ有効です。

3-2. 所得税の納税証明書(その1またはその2)

個人事業主の方は直近の所得税の納税証明書を用意しましょう。
有効となるのは同じく「その1」と「その2」です。こちらも原則として税務署の窓口で発行されたものに限られます。
電子納税証明書を用いる場合はPDF形式で印刷されたもの以外は認められません。
発行方法、手数料は法人と同様です。

3-3. 所得税確定申告書B

個人事業主の場合は直近の所得税確定申告書Bの控えも必要です。
確定申告書Bの控えとは、税務署が確定申告の書類を受け取った日付を示す受付印が押された書類を指します。
なお、e-Taxを利用してインターネット経由で確定申告書を提出した場合は書類が手元に残りません。

その場合は同じくe-Taxを利用し、電子申請等証明書の交付を請求しましょう。電子申請等証明書は確定申告のデータに電子署名が付与されたものであり、正式な証明書として利用可能です。

4.IT導入補助金の必要書類に関する注意点

IT導入補助金申請の必要書類で注意すべきポイントを解説します。スムーズに申請を勧められるよう、適切に書類を準備しましょう。

4-1.履歴事項全部証明書は3ヶ月以内に発行されたものに限る

法人の申請で必要となる履歴事項全部証明書は、申請日から3ヶ月以内に発行されたものを添付してください。
前倒しで準備しておくことも大切ですが、早い段階で発行してしまうと申請時期に有効期限が切れてしまう恐れもあります。

また、登記事項証明書には複数の種類がありますので、必ず履歴事項全部証明書であることを確認しておきましょう。その他ページの不足、添付画像が不鮮明等の理由で申請が却下されることも考えられます。

4-2.納税証明書の税目と年度を確認する

納税証明書は税目と年度を確認しておきましょう。税目は法人であれば「法人税」、個人事業主であれば「所得税」です。
また、対象となるのは直近で納めた税金の証明書です。過去年度の証明書は無効となりますので添付書類を間違えないようにしましょう。

なお、設立初年度の事業者の場合、まだ事業者としての納税を行っていないため、納税証明書が用意できません。代替となる書類は認められていないので、実質的に設立初年度の事業者はIT導入補助金が利用できないことになります。

4-3.確定申告書Bは税務署の受領が確認できるものに限る

個人事業主の必要書類である確定申告書Bは、税務署が受領していることが確認できるものでなければなりません。
税務署の窓口や郵送で確定申告書を提出した場合は税務署の受付印が押されていること、電子申請の場合は電子署名付きの電子申請等証明書が必要です。

IT導入補助金の申請要件「SECURITY ACTION」

IT導入補助金の申請要件「SECURITY ACTION」とは?
IT導入補助金は、ITツールの導入費用の補助金制度です。中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、企業・事業者の業務効率化・売上アップをサポートします。

申請するにあたっては「SECURITY ACTION(セキュリティ・アクション)」を宣言することが必須要件となっています。

「SECURITY ACTION」は、中小企業自らが、「情報セキュリティ対策に取り組む」旨を自己宣言する制度です。「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」の実践をベースにした2段階の取り組み目標「一つ星」と「二つ星」があり、いずれかの宣言が必要になります。

「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)によって、中小企業の情報セキュリティ対策の具体的な対策を示すものです。

1段階目「一つ星」

「情報セキュリティ5か条」に取組むことを宣言
1.OSやソフトウェアは常に最新の状態にしよう!
2.ウイルス対策ソフトを導入しよう!
3.パスワードを強化しよう!
4.共有設定を見直そう!
5.脅威や攻撃の手口を知ろう!

2段階目「二つ星」

「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」で自社の状況を把握したうえで、「情報セキュリティポリシー(基本方針)」を定め、外部に公開したことを宣言

「SECURITY ACTION」の背景

「SECURITY ACTION」の宣言が、IT導入補助金の申請において必須となっている背景としては、ITツールの導入時には、セキュリティ面を考慮することも重要である点、そして導入後も、情報セキュリティ対策の継続や向上を目指す取り組みが重要である点などがあります。

「SECURITY ACTION」は、サイバー攻撃や犯罪が巧妙化・悪質化する中で、中小企業もそれにしっかりと対策を取る必要があるという背景を踏まえ、2017年2月、IPAと中小企業関係団体が「中小企業における情報セキュリティの普及促進に関する共同宣言」を行い、“自発的な情報セキュリティ対策を促す”ための核となる取り組みとして創設されました。

「SECURITY ACTION」を宣言することで、自社が自発的に情報セキュリティ対策に取り組むきっかけにすることができます。

「SECURITY ACTION」の自己宣言方法

IT導入補助金2021を申請する際、「SECURITY ACTION」を宣言する際の流れをご紹介します。
1.SECURITY ACTION自己宣言サイトで使用規約を確認 サイトはこちら>>
2.申し込みフォームに入力し、自己宣言の新規申し込みを行う
3.届いた申し込み受付メールに記載されたURLをクリックして申し込み手続きが完了
4.自己宣言完了後、1~2週間程度でロゴマークのダウンロードに必要な手順がメールで送られてくるため、その手順に沿ってダウンロードする

自己宣言にあたっては、「★一つ星」または「★★二つ星」のどちらかを宣言します。
ロゴマークは、自社の公式サイト等で掲出できるため、対外的に情報セキュリティ対策を実施していることをアピールできます。